「ECサイトのSEO対策はブログの違うのだろうか?」
「SEO対策は何をすればいいのか?」
このようにECサイト運営の担当になった人たちにはたくさんの不安や疑問があると思います。
SEO対策も多くの方法があり、躊躇してしまう人もいるでしょう。
- ECサイトでSEO対策をする理由
- ECサイトのSEO対策11つ
- SEO対策の注意点3つ
- SEO対策で成果を出すコツ3つ
この記事を読めば、いつまで経っても効果が出てこないといった状態を回避できます。それぞれの対策でも、ちょっとしたコツを載せており、役立つ内容になっています。
ECサイトの立ち上げを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトでSEO対策が必要な理由
ECサイトで利益を出すには検索上位をとる必要があります。
理由は、最も安価でおこなえる集客対策だからです。
広告を出すと安くても何百万円もします。(何十万円の広告もあります)
また、掲載期間を過ぎると集客効果は0になります。広告を経済し続けるには資本力が必要です。
それに対し、SEO対策は最低0円から始められます。検索上位を取れればGoogleから評価されていると見られ、ユーザーに信頼されます。
ECサイトのSEO対策は最も効率的な集客方法なのです。まずは内部SEO対策をしましょう。
ECサイトの内部SEO対策12つ
ECサイトの内部SEO対策は以下の12つです。
- キーワード選定
- タイトルにキーワードを入れる
- ディスクリプションの修正
- URLを短く
- インデックスの登録・確認
- alt属性
- 画像サイトマップ
- サイト構造の最適化
- 内部リンクの設置
- 構造化データ
- モバイルフレンドリーな設計
- 表示速度の改善
ひとつずつ詳しく説明していきます。
キーワード選定
ECサイトで売る商品に関係するキーワードを決定します。ECサイトで狙うキーワードは購買意欲が高く競合が少ないロングテールキーワードです。
具体的な調べ方は次の通りです。
- 商品に関係するキーワードをエクセルやスプレットシートに思いつくだけ書き出す。
- 思いつかないなら関連検索やサジェストを利用する
- ラッコキーワードやキーワードプランナーで調べる
- 月間検索ボリュームを調べる
- 重複しているところ&ボリューム0を消す
- ボリュームが100以上のキーワードをピックアップする
- その中から最も商品に合うキーワードを選ぶ
基準になる検索ボリュームを100以上に設定した理由は、競合が少ないキーワードを見つけ出すためです。ビックキーワードのボリュームが少なければ基準も下がります。ビッグキーワードが3000~1万PV程度なら基準は90から80でもいいでしょう。
商品名は検索ボリュームが60でも収益につながります。検索ボリュームのボーダーラインは慎重に選びましょう。
SEO対策はキーワード選定でほとんど決まります。2週間ほど時間をかけて取り組んでください。
タイトルにキーワードを入れる
Googleにどんな内容なのかわかるようにするため、タイトルにはキーワードを入れてください。
タイトルの文字数は32文字以内にしましょう。スマホで表示される1行の文字数は32文字です。それ以上だと改行され見づらくなり離脱します。
また、タイトルは購買意欲が高まるフレーズを入れてください。
具体的には以下の通りです。
用途 | 具体例 |
---|---|
タイトルに含めるキーワード | 最安値、安値、人気、レビュー、口コミ、効果、評判 |
限定的だが含めるとよい文言 | 今だけ、割引、セール、限定 |
Googleもタイトルを重要視しています。タイトルで誰に届けたい商品なのか伝えましょう。
ECサイトにはもともと購買意欲の高いユーザーが集まります。背中を押す意味でこれらのキーワードを取り入れ、ページ内容に反映してください。アピールにおいて商品の評価実績は強力です。
ディスクリプションの修正
ディスクリプションとは検索結果でタイトルの下に表示される110~130文字の文章のことです。
ディスクリプションはユーザーにサイトの内容を伝える役割があります。
直接的なSEO効果はありません。ニーズが一致するユーザーを集めて商品を提示することで満足度を向上させ、結果的に検索上位に入りやすくなるものです。
具体的には以下の要素で構成されます。
- ユーザーに悩みや疑問の投げかけ
- 取り扱う商品の特徴
- 紹介した商品で悩みや疑問が解決する理由
- 購買を促すフレーズ
ディスクリプションはサイト内容を要約して作りましょう。
ディスクリプションは110文字から130文字に収めてください。それ以上は表示されません。
URLは短く
サイトのURLは短くわかりやすいようにしてください。短い方が伝わりやすいからです。良く購入してくれるユーザーはURLで検索します。URLが短いとリピーターが利用しやすいのです。
具体的には以下のような書き方が有効です。
✖ https://think-think.com/ecsitebuild/
英単語は-で区切ります。上記はブログのURLですが理屈は同じです。
経験から、URLで検索する人は半年以上の付き合いになるユーザーが多いです。不便を感じさせないためにもURLは短く区切るようにしてください。
インデックスの登録・確認
インデックスとはGoogleの検索エンジンにサイト情報を登録することです。Googleのクローラーというロボットがネット上を巡回してデータベースに登録します。
インデックスされると検索エンジンで表示されるようになります。
しかし、立ち上げたばかりのサイトではクローラーが気付かず巡回に来てもらえません。そのため、XMLファイルを送信して登録を促すのです。
具体的な方法は以下の通りです。
- Googleサーチコンソールを開く
- XMLサイトマップを送信する
インデックスの登録には時間が数日から数週間かかります。ECサイトが運用できる状態になったらすぐXMLサイトマップを送信してください。
ある程度時間が経ったらサーチコンソールからサイトマップの登録情報を確認します。
「クロール済み – インデックス未登録」と表示されているページは低品質だと判断されています。削除してください。
ただし、サイトを立ち上げたばかりのときや必要なページもそう評価されることがあります。このケースでは時間が経つと登録されるため、気長に待ちましょう。私の場合、登録に1ヵ月かかりました。
alt属性
alt属性とはサイトの画像につける代替テキストのことです。クローラーが何の画像なのか判断できるため、狙っているキーワードを盛り込めばSEOに有利です。
また、ECサイトは商品写真が多く、ブログやホームページよりalt属性を設定したときのメリットは大です。
alt属性ではできるだけ短くしてください。
画像検索でECサイトに訪れる人も意外と多いのです。
画像サイトマップ
画像サイトマップはサイトマップの画像版です。
Google 検索セントラルの「画像サイトマップ」では以下のように示しています。
画像サイトマップは、特に他の方法では Google が検出できない可能性がある画像(JavaScript コードでサイトがアクセスする画像など)を含むサイト上のその他の画像について Google に伝える方法です。
画像サイトマップ
まとめると、alt属性で認識できない画像をクローラーに認識させる効果があります。
画像サイトマップを送信するときはHTMLで<image:image>と<image:loc>のタグを加えます。
画像サイトマップはHTMLを編集するため、難易度は高めです。
経験ですが、alt属性を設定して普通のサイトマップを送信すれば問題ありませんでした。
サイト構造
ECサイトのサイト構造はブログより重要です。
ECサイトは商品ページを多く作成するためページ数が多くなります。何度もクリックしないと欲しい商品にたどり着けないECサイトでは離脱します。サイト内はクリック3回以内で巡回できるように設計してください。
サイト構造は以下の手順で考えます。
- 個別の商品ページを複数用意する
- 似たカテゴリーで仕分け
- カテゴリーごとにページを作成
- カテゴリーをまとめてトップページ作成
商品ページから積み上げていくイメージです。実際の作業では商品ページと並行して簡単なトップページを作成し、内容を更新していきます。
サイト構造を考えるときは、個別の商品ページからトップページまで考えてください。完成度は7割くらいで十分です。
内部リンクの設置
サイト内の商品ページが2つ以上ある段階で内部リンクをつなぎます。クローラーは内部リンクを経由して巡回するため、早い段階で登録漏れがないようリンクをつないでおきましょう。
商品ページが3つ以上できたらつなぎ合わせます。
余裕があるなら、パンくずリストも設置してみてください。
構造化データ
構造化データとはHTMLのタグを追加したデータのことです。タグを追加するとディスクリプションの下に表示されます。
Google検索セントラルの「商品(Product、Review、Offer)の構造化データ」では以下のように示されています。
商品や商品レビューに使用され、評価、レビュー情報、価格、在庫状況などの付加的な情報を含めることができます。
商品(Product、Review、Offer)の構造化データ
価格とレビューがGoogleの検索一覧に表示されると購買意欲の高いユーザーが訪問しやすくなります。
構造化データはHTMLを追加するため、少し難易度が高いSEO対策です。使っているシステムによっては簡単に設置できるため、構築サービスの提供元に相談してください。
モバイルフレンドリーな設計にする
モバイルフレンドリーとはスマホに表示しやすくする工夫のことです。現在ではスマホでネットショッピングを楽しむ人の方が多いため、モバイルに対応しているかもGoogleの評価対象です。
Google検索セントラルの「検索結果をもっとモバイル フレンドリーに」でも以下のように示しています。
インターネットへのアクセスに携帯端末が使用されるケースが増えてきたため、Google の アルゴリズム もこうした使用状況への対応が必要となっています。
検索結果をもっとモバイル フレンドリーに
モバイルにどの程度対応しているかはツールを使って測定できます。
具体的な方法は、「Chrome DevTools で Lighthouse を実行する」を参考に計測してください。
CMSによってはすでに最適化されているところも多いです。
表示速度の改善
Google が掲げる 10 の事実では「遅いより速い方がいい」と示しています。
実際に検索上位のサイトは表示スピードが速くユーザーにストレスを感じさせません。
サイトが重くなる原因は、画像とサーバーが多いようです。
PageSpeed Insightsで自分のサイトを確認してみてください。
PageSpeed Insightsはサイトが大きくなるとモバイルの点数が下がりやすくなります。私の場合も60点くらいまで下がりました。画像圧縮やプラグインなどできることをやっているならそれほど悩まなくても大丈夫です。心配なら構築サービス提供元に聞いてみてください。
ECサイトの外部SEO対策
外部SEO対策は外部のサイトからリンクをもらい、サイトの信頼度を強化する方法です。
私が財布のECサイトを運用しているとします。出店している企業が公式ホームページで私のECサイトを紹介し、リンクを設置していると外部SEO対策は完了です。
この被リンクがサイトの信頼度を測定する重要な要素になります。ちなみに、被リンクを増やす目的で関係ないジャンルに適当なリンクを貼り付けたり貼り付けてもらったりするとGoogleからの信頼が下がり、ドメインパワーが落ちてしまうため、やめておきましょう。
被リンクを受けると外部サイトから関心の高いユーザーの流入が起こります。
ECサイトでSEO対策する3つの注意点
ECサイトの注意点は以下の3つです。
- 重複コンテンツ
- SSL対策
- 販売終了ページの削除
それぞれ紹介します。
重複コンテンツの削除
内容がほぼ同じページはマイナス評価を受けます。
類似している記事が複数あるとき検索上位に上がるのは1つだけです。労力が同じでも類似ページを3つ作成するより別の内容を3つ作成する方が評価されます。
特にEサイトはカラーバリエーションやモールに並行して出品するため重複コンテンツが生まれやすいのです。
もし、重複してしまったら削除してください。
ECサイトで重複コンテンツはよく発生する問題です。その場合は商品の強みでページ内容を分けるようにしてください。
SSL対策
SSL対策は必ずしてください。SSL対策をしていないECサイトはセキュリティが弱くなり、顧客の購入データや支払い情報が流出します。
SSL対策はGoogleはすべてのサイトに推奨しており、サーバー契約時に有効化すれば大丈夫です。有名な制作会社に構築を委託しているなら問題ありません。
しかし、オープンソースとフルスクラッチで開発しているならSSL対策しているか管理画面から確認してください。
販売終了ページはすぐ削除
販売していない商品やセールが終わったページは削除します。せっかく来てくれたユーザーがブラウザバックするとサイトの評価が下がり検索順位に悪い影響が出るからです。
今後も使う予定があるなら非公開にしておくのも有効です。
サイトの検索順位が上がらない大きな理由です。扱っていないものは必ず削除しましょう。
ECサイトのSEO対策で成果を出すコツ3つ
成果を出し続けるにはコツがあります。
具体的には以下の3つです。
- 定期的にリライト
- 専門の人をつける
- 仕組みを作る
それぞれ紹介します。
定期的にリライト
ページは三ヶ月ごとに調査し、一定間隔でリライトします。常に新鮮な情報にするためです。
ページ内の情報が古いとユーザー満足度が下がり、検索順位が落ちます。
記載内容が変わらなくても、Googleアナリティクスの情報をもとにレイアウトを整えたり、文章を変えたりして見てください。コンバージョンが上がるかもしれません。
リライトするときは根拠を明確にします。アナリティクスのデータを分析しておこないましょう。なんとなくリライトしても良くなりません。
担当の人をつける
SEOは専門的なスキルです。最低でも1年ほど経験しないと習得できません。ECサイトを構築したらSEOの担当を最低1人決めて、常駐させてください。
SEOの知識を持っている人が社内にいないなら、経験者に相談しましょう。制作会社でサポートしてくれるなら問題ありません。
SEOは年々変化しています。担当者は定期的にセミナーに参加できるようにしてください。
仕組みを作る
仕組みとは部署内で共有するマニュアルのことです。
SEO対策を1年以上すると最低限のノウハウが社内や部署に蓄積されます。この蓄積されたノウハウをマニュアル化して共有してください。
成果を継続するにはノウハウを持った人が一定数必要です。マニュアルがあり、経験者が指導すれば1ヵ月ほどで実践に使える人材が育成できます。
実践→データ蓄積→分析→仮説→実践のサイクルが止まらなければ利益は生まれます。マニュアルを作り人材育成期間を短縮すれば人数が少なくても成長サイクルを維持できるでしょう。
仕組みが作れれば成功確率が跳ね上がります。SEO対策の最初期からマニュアル作成を視野に入れてください。
まとめ
ECサイトのSEO対策は、ホームページやブログと似ています。しかし、ECサイトは商品を紹介する特性のため、注力するべきところが異なります。
できるところから取り組めば1年後には成果が出るでしょう。SEOで検索上位が取れれば長期的に利益が見込めます。
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