「どのプログラミング言語に取り組もうか悩んでいる」
「ネットにPythonを勉強するのはやめとけと書かれていて不安」
Pythonについて調べている人は、心配になるようなネット記事を目にしたことがあるのではないでしょうか。Google検索すると下のほうに「Python やめとけ」と表示されるため、不安になる人もいるはずです。
しかし、Pythonはやめておくべきといわれる理由を詳しく深堀すれば、むしろ初心者に適した言語だとわかるでしょう。
そこで、本記事では、PythonでWebアプリ開発の経験があるみずがめが、以下の内容を紹介します。
- Pythonはやめとけといわれる4つの理由
- ほかの言語にない5つの利点
- 絶対に習得するべき人に共通する2つの特徴
- 効率的な学習方法4ステップ
本記事を最後まで読むことで、Pythonは、どんな特徴がある言語で、どうして今まで活用されてきたのか理解できるようになります。
記事後半では、実際にみずがめが行った勉強方法を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
なお、自分が本当にPythonに取り組むことがベストな選択なのか不安な方は、プロから教わるサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
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Pythonはやめとけといわれる4つの理由

Pythonはやめておけといわれる理由は、以下の4つです。
- ほかに適している言語がある
- ライバルが多く競争が激しい
- 高収入が見込めないと思われている
- 時代遅れのと誤解されている
それぞれ詳しく説明します。
1.ほかに適している言語がある
Pythonは、どんなサービスの開発にも対応できる言語ですが、特定の分野では別言語のほうが適しています。
以下に、Pythonと比較される主な言語とそれぞれの特徴を示します。
Pythonと比較される言語 | Pythonより開発に適した用途・サービス | 習得難易度(Python基準) |
---|---|---|
PHP | 掲示板やECサイトなどのWebサービス全般 | 低い |
Ruby | X(旧Twitter)のようなSNSサービス | 低い |
Java | 顧客情報を扱うECサイト業務システム | 高い(文法が複雑) |
Go | IoT開発Webサービス | 同レベル |
R | データ分析(統計学を習得する必要あり) | 高い |
Goは2009年にGoogleから提供された言語です。大量の情報を安定して処理できるため、処理能力に限界があるPHPから移動している企業もあります。
Rはデータ分析に特化した言語で、Pythonより分析に関するサポート機能が豊富にあります。
ただし、Rはデータ分析以外の用途には対応が乏しく、統計学の知識がないと扱いが難しい言語です。
Pythonは汎用性が高く、上記にあるすべてのサービス開発に対応できますが、最適化に時間がかかる場合もあります。
効率よく開発するなら、目的に合わせた言語を選びましょう。

とにかくプログラミングを体験したいならPythonで大丈夫ですよ!
2.ライバルが多く競争が激しい
2023年にpaiza株式会社が発表した『社会人の学習で人気が高い言語ランキング』で、Pythonは1位を獲得しました。
また、2025年のクラウドソーシングサイトでは、募集人数が3人の案件に対して、応募者は5~10人程度にとどまっていました。
しかし、経済産業省が発表した、『参考資料(IT人材育成の状況等について)』では、2025年の段階で約43万人のIT人材が不足していると考えられています。
たしかにPythonは人気がありますが、そもそもエンジニアが少ないため、深刻に悩む必要はありません。
3.高収入が見込めないと思われている
Pythonは収入が低いと考えられることがありますが、実際には平均以上の年収が報告されています。
ほかの言語と比べて習得難易度が低く、取り組む人が多いため、エンジニアの価値が低いと分析したようです。
paiza株式会社が発表した『転職における言語別の平均演習ランキング』では、Pythonの平均年収は652.9万円で、調査対象言語になった17種類の平均(629.1万円)よりも高めであるという報告があります。
また、求人サイトのindeedでは、時給1,000~5,000円程度の案件が中心です。
つまり、Pythonは「稼げない」とは一概にいえません。

Pythonは年収が高めの言語です!
4.時代遅れと誤解されている
Pythonは1991年に生まれた言語で歴史があります。多くの業務システムで使われているJavaは1995年に生まれた言語で、Pythonのほうが年上です。
歴史のある言語ですが、現在でも新しいバージョンがリリースされ、フレームワークやライブラリも活発に開発されているため、現代のネット環境にも十分対応できます。
実際に、YouTubeやInstagramは、Pythonを使って開発されたサービス(Python以外も使用)です。
また、長い間開発現場で使われている言語は、企業からも利便性が信頼されている証拠で、今後も改良された機能がリリースされていくでしょう。
つまり、Pythonは時代遅れではなく、現在も最前線で利用されている言語です。30年以上の歴史がある言語で、企業から信頼されています。
Pythonは本当にやめとけ?ほかの言語にない長所を5つ解説

Pythonの優れた特徴は以下のとおりです。
- 世界のスタンダード言語
- コードがシンプル
- すぐ実行できる
- フレームワークやライブラリが充実
- データサイエンスやAIに使われている
それぞれ詳しく説明します。
1.世界のスタンダード言語
Pythonは、ITの分野に興味があるなら経験するべき言語です。
ハーバード大学が提供しているCS50では、基礎的なコンピューターの仕組みをC言語で学んだ後、本格的なプログラミング演習にはPythonが用いられています。
マサチューセッツ工科大学の学習で使うプログラミング言語もPythonです。
日本では、京都大学が提供している『プログラミング演習 Python』が有名です。
このように、現在のプログラミング学習はC言語ではなく、Pythonがスタンダードになっています。
2.コードがシンプル
Pythonは、C言語やJavaより解読しやすいコードです。
以下に2つの数を足して結果を出力するコードをそれぞれ紹介します。
まずは、Pythonコードを紹介します。
a = int(input("数1: "))
b = int(input("数2: "))
print(f"合計は {a + b} です")
C言語は短い記述ですが、以下のように&aや&bなどのポインタ(データの記録場所)を指定する必要があり複雑になります。aのアドレス値(記憶場所)が&aです。
#include <stdio.h>
int main() {
int a, b; scanf("%d%d", &a, &b);
printf("合計は %d です\n", a + b);
}
Javaの場合はクラス(下に示すコードではpublic class Mainの部分が該当)を記述する必要があり、習得難易度は高めです。
import java.util.*;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Scanner sc = new Scanner(System.in);
int a = sc.nextInt(), b = sc.nextInt();
System.out.println("合計は " + (a + b) + " です");
}
}
どれも入力された2つの数字を足しているだけですが、書き方が大きく異なります。Pythonは、書いてあることがわかりやすい言語のため、初心者が学習するのに向いています。

パッと見て何をするコードなのかわかりやすいのがPythonです!
3.すぐ実行できる
Pythonは、書いたコードをすぐに実行できるのが特徴です。
エンジニアは、コーディング(コードを書くこと)したファイルをパソコンが理解できる言語にまるごと変換して、作ったサービスを稼働させます。この作業をコンパイルといい、コードをすべて書き終えないと実行ファイルに変換できません。
大きなプロジェクトでは、コンパイルで3時間から半日かかります。
プログラミング言語 | コンパイル必要・不必要 | プログラムの実行速度 | エラーの発見 | プログラミング初心者向け |
---|---|---|---|---|
Python | 不要 | 遅い(誤差の範囲) | しやすい | 〇 |
C言語 | 必要 | 速い | しにくい | △ |
Java | 必要 | 速い | しにくい | △ |
C言語とJavaは、コンパイル言語で、ファイルを一気に変換するため、コーディング途中で問題がわかりにくい特徴があり、使いこなすには慣れが必要です。
Pythonはコンパイルを必要としないスクリプト言語で、1行ずつパソコンが理解できるデータに変換されるため、問題個所を発見しやすく修正もすぐ行える特徴があります。
このように、Pythonは細かく実行・修正できる言語で、コーディングに慣れていないプログラミング初学者に向いています。
4.フレームワークやライブラリが充実
Pythonはフレームワークやライブラリが豊富です。フレームワークとは、スターターキットのようなもので、導入すれば最低限の機能が稼働します。
ライブラリとは、必要なプログラムをまとめたものです。頻繁に使うコードを集めた部品といえます。
有名なフレームワークは、flaskやDjangoで、どちらもWebアプリケーションの開発で利用されます。
ライブラリは、データ分析のpandasや数値計算のNumpyを頻繁に使うでしょう。膨大なデータから法則性を見つけ出し、予測する機械学習ではPyTorchが有名です。
Pythonは、汎用性が高い言語であるため、フレームワークやライブラリの種類が豊富です。誰でも比較的簡単に実装できるため、多くのエンジニアに支持されています。

Pythonは開発をサポートする機能が豊富です!
5.データサイエンスやAIに使われている
Pythonは、データサイエンスやAIに適した言語です。
カリフォルニア大学は、Pythonを基本言語としてデータ分析の講演を行っています。
統計学やデータ分析の専門知識がなくても扱えるデータサイエンス用フレームワークが提供されており、分析に特化したRとほぼ同じことがPythonで可能です。
また、PythonはAI開発にも適しています。AI学習用のデータセット※が提供されているため、短期間で開発可能です。AIに関する論文も豊富にあり、精度の高いモデルが利用できます。
このように、現在のデータサイエンスやAIの分野はPythonが主流です。
AIは、予測させるために材料となるデータのセットを与えて学習させる必要があります。Pythonの場合、多くのデータセットが提供されているため、開発の手間が省けるのが特徴です。
「Pythonはやめとけ」に惑わされないで!学ぶべき人の特徴を2つ紹介

Pythonはやめとけと反対されても、取り組んだほうがいい人は以下のとおりです。
- はじめてプログラミングを学習する人
- AI開発やデータサイエンスを習得したい人
それぞれ詳しく説明します。
1.はじめてプログラミングを学習する人
今までプログラミングに触れたことがない人は、Pythonに取り組むと効率よく学習が進みます。
参考書や動画、スクールなどで豊富に取り扱っている言語で、内容も初心者向けが多いため、自分に合った勉強方法が見つかります。
もし、勉強途中でわからないことがでてきたり、エラーに遭遇したりしても、ネットで検索すればほとんどの答えが載っているため、挫折の危険がほとんどありません。
そのため、Pythonはこれからプログラミング学習を考えている人に適した言語といえます。

Pythonの公式ドキュメントもおすすめです!
2.AI開発やデータサイエンスを習得したい人
AI開発やデータサイエンスの技術を習得したい人はPythonがおすすめです。
統計学やコンピューターサイエンスに関する豊富なライブラリが提供されており、簡単な調整を行えばすぐ活用できるため、学習時間を短縮できます。
計算結果をわかりやすく出力するライブラリのseabornやmatplotlibを使えば、統計学の知見があまりなくても、ある程度データの傾向やパターンを把握できるようになります。
このように、Pythonは、簡単にAIやデータサイエンスにかかわれる言語です。
とはいえ、ライブラリやフレームワークの種類が多すぎて、初心者はどれを使えばいいのかわかりませんよね。そこでおすすめなのがDMM WEBCAMPです。
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Pythonの丸暗記はやめとけ!効率よく習得する勉強法を4ステップで解説

Pythonを効率よく勉強するには、以下の手順を踏んでください。
- 目的を決定する
- 作るものを決める
- ベースを作る
- 機能を追加していく
それぞれ詳しく紹介します。
1.目的を決定する
Pythonを習得するなら、目的を決めましょう。
目的がない状態だと、学習が単なる作業になり、記憶の定着が悪くなったり、1日手が止まっただけで挫折につながったりする恐れがあります。
多くの学習者が持つ目的は以下のとおりです。
- 就職や転職するため
- 副業で月5万円稼ぐため
- プログラミングを体験するため
目的は動機とセットで考えるとスムーズに決まります。自分がPythonに取り組む理由を明確にしてください。

明確な目的は習得に必須です!
2.作るものを決める
目的が決まったら具体的に制作するものを決めます。
以下が、目的に適応した制作物の例です。
Pythonを習得する目的 | 制作するもの |
---|---|
就職や転職 | 希望する企業のサービスに近いもの |
副業 | データスクレイピング |
プログラミング体験 | 資料にある課題 |
就職や転職を希望している人は、目指している企業が提供しているサービスを制作してください。
企業がAIを開発している場合、どれだけ高いWebアプリ開発のスキルを習得しても採用されることはありません。
むしろ、募集要項を見ていないと思われてマイナスになる可能性があります。企業が求めているものを制作しましょう。
副業の場合、データスクレイピング開発やツール開発をおすすめします。データスクレイピングとは、Webサイトから特定のデータを抽出し、Excelにまとめるツールです。比較的簡単に作成でき、案件数も多いことから初心者に向いています。
ただし、サイトによっては情報の取得が違法の場合があるため、利用規約や著作権を確認しておいてください。
プログラミング体験が目的なら、資料にある課題の制作に取り組むと、スムーズに基礎が習得できます。
動画・参考書・学習サイトを利用している場合、さかのぼれば解説が載っているため、解決できない問題はほとんどありません。
目的から制作するものを特定すると、学習効率が良くなります。
3.ベースを作る
作るものを決めたら、サービスの基礎を製作します。初心者の場合、フレームワークやライブラリを限定して、公式ドキュメントや解説動画を活用すれば最短で製作可能です。
以下を参考に、最低限の機能を製作しましょう。
制作するアプリ | おすすめのライブラリ・フレームワーク |
---|---|
Webスクレイピング | Requests |
Webアプリ | flask |
機械学習 | TensorFlow |
Requestsは、Webサイトの情報を取得できるライブラリです。Pythonの標準ライブラリにないため、インストールする手間がありますが、簡単な記述で利用できるため、多くのエンジニアが利用しています。
Webアプリは、flaskをおすすめします。シンプルなコードでWebアプリを作れるため、プログラミングを学習して間もない人でも問題なく扱えるはずです。公式サイトの情報も充実しており、挫折する危険は低いといえます。
機械学習は、TensorFlowというGoogleが開発したライブラリが有名です。機械学習とは、大量のデータをパソコンに読み込ませて法則を見つけて活用するもので、数字や画像、音声など多くの分野で活用されています。
ただし、機械学習の分野は難易度が高いため、Pythonの基本を習得してから時間をかけて学習してください。
制作するものが確定したら、サービスの基礎部分に取りかかります。フレームワークやライブラリを参考にサービスを開発すると2ヶ月ほどで基礎が完成するでしょう。

ベースはサクッと作りましょう!
4.機能を追加していく
基礎ができたら、機能を追加していきます。
みずがめはベースを制作したあと、以下の機能を追加しました。
基礎を作り終えたアプリ | 追加したこと | 難易度 |
---|---|---|
Webスクレイピング | 抽出する項目を増やす | 低い |
Webアプリ | お問い合わせフォームの実装購入商品の更新機能(ECサイト) | 中 |
機械学習 | matplotlibで出力するデータをグラフにする | 高い |
Webスクレイピングは、項目を変えるだけで済むため、1時間程度で改良できます。
Webアプリは制作したいものによって追加する機能が異なりますが、お問い合わせフォームは、必ず必要にです。基礎までは簡単ですが、追加機能で難しく感じる人もいるでしょう。Webアプリの改良には、3ヶ月以上時間をかけて取り組んでください。
機械学習では、みずがめの場合、計算結果をmatplotlibで出力できるように変換しました。機械学習は、質問サイトを駆使してようやく完成したため、WebスクレイピングやWebアプリより難易度は高めです。
このように、制作物の基礎ができたら、機能を追加して改良します。機能を追加する場合は、ChatGPTを活用すると学習速度が上がるでしょう。
とはいえ、Pythonはできることが多すぎて、初心者はどれから手を付けていいのかわかりませんよね。そこでおすすめなのがDMM WEBCAMPです。
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